セラピストガチャとは?担当を選べないリハビリの現実と診断チェックリストでわかる見極め方

Totonoe通信
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石垣貴康|作業療法士/Totonoe代表
病院で良くなっていたのに、自宅に戻るとまた動きにくくなる──そんな“リハビリの壁”に直面する方を多く出会ってきました。原因は努力不足ではなく、生活環境・習慣・動作のクセ・生活リズムです。私は「機能は生活からつくられる」という視点で、寝たきり・片麻痺・脊髄損傷・神経難病など重度の方へ、生活24時間を整える訪問パーソナルリハビリを提供しています。
「もう良くならない」と感じても、まだ方法は残っている可能性があります。一緒に、“もう一度動ける人生”を取り戻しましょう。

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― あなたの人生を左右する「担当ガチャ」の正体 ―

「入院のリハビリ担当の○○です」

その一言で、
数か月後の身体機能、生活の質、ひいては人生の選択肢まで変わる
――そんな現実が、医療現場には確かに存在します。

それを、あえて言語化するとしたら。

私はこの現象を 「セラピストガチャ」 と呼びたい。

この記事の最後には、【セラピストガチャ診断チェックリスト】があるので、ぜひチェックして「ガチャ度」をテストしましょう!

セラピストガチャとは?

セラピストガチャとは、

入院・外来・回復期・維持期などのリハビリにおいて、
患者が理学療法士・作業療法士・言語聴覚士を「選べない」仕組み
その結果、担当者の経験・視点・スキル差が
そのまま回復経過や生活の質に影響してしまう現象

と私は考えました。

新人か、ベテランか
評価が丁寧か、流れ作業か
生活まで見ているか、訓練室だけか

本人にはどうしようもないのに、結果だけが変わる。

まさに「ガチャ」です。

実は、多くの人がすでに検索している

「セラピストガチャ」という言葉は、
まだ世の中に存在していません。

しかし、近い検索ワードはすでに大量に存在しています。

実際に検索されている“近縁ワード”

  • リハビリ 担当 当たり外れ
  • 理学療法士 合わない
  • 作業療法士 変更 できる?
  • リハビリ 効果 出ない
  • 病院 リハビリ 不安
  • 回復期リハビリ 信用できない
  • 退院後 リハビリ どうすればいい
  • リハビリ このままでいいのか

これらはすべて、
**「セラピストを選べない不安」**の言い換えです。

なぜ「セラピストガチャ」が起きるのか

ここで大事なのは、
誰かを悪者にしないことです。

原因①:保険制度という構造

医療保険・介護保険のリハビリは、

  • 単位制
  • 人員配置基準
  • 算定ルール
  • 教育・ローテーション

これらに強く縛られています。

つまり、

「経験豊富なセラピストを、必要な人に集中配置する」
という設計自体が難しい

構造になっているのです。

原因②:教育と臨床のギャップ

学校では、

  • 正解がある
  • 評価項目が決まっている
  • 試験で測れる

しかし臨床では、

  • 正解がない
  • 生活は人それぞれ
  • その人の背景がすべて違う

このギャップを現場で埋められるかどうかは、
正直、個人差が大きい

ここにも「ガチャ要素」が生まれます。

原因③:患者が“判断材料”を持てない

多くの患者さんは、

  • 何を基準にリハビリを見るべきか分からない
  • 質問していいのか分からない
  • 比較対象がない(なりたくて病気になってない)

結果、

「こんなものなのかな…」
「先生が言うなら…」

と、違和感を飲み込んでしまう

数か月の担当が、その後の人生を左右する理由

リハビリは、
「筋力」や「可動域」だけの話ではありません。

本当に影響するのは…

  • 動作のクセ
  • 身体の使い方
  • 環境調整
  • 生活リズム
  • 介護の仕方
  • 自信の持ち方
  • 失敗体験の積み重ね

これらはすべて、
担当セラピストの“視点”で変わります。

セラピスト側も「ガチャに組み込まれている」

ここは、リハビリ職にも届けたい部分です。

新人が悪いわけではない。
ベテランが偉いわけでもない。

ただ、

  • 教育を受ける余裕がない
  • フィードバックが少ない
  • 数を回すことが優先される
  • 指名制とかない仕組み

そんな環境の中で、
本人の意思とは無関係に「ガチャの一部」になってしまう

これは、
セラピストにとっても不幸です。

「セラピストガチャ」から抜け出す視点

完全にガチャをなくすことは、
正直、今の制度では難しい。

でも、抜け道はあります。

患者・家族ができること

  • 違和感を言語化する
  • 生活で困っていることを具体的に伝える
  • 「この動きが不安です」と質問する
  • セカンドオピニオンで他をみる
  • 退院後を見据えた話が出ているかを見る

👉 **“良い・悪い”ではなく
「生活を見てくれているか」「相性がいいか」**が判断軸。

セラピスト側ができること

  • 訓練室で完結しない視点を持つ
  • 生活背景を聞く
  • 他職種とつなぐ
  • 「できた」より「続く」を考える

👉 ガチャを壊すのは、制度より“姿勢”

リハビリ難民が本当に求めているもの

多くの人は、
「ゴッドハンド」を求めているのでしょうか?

私が現場で感じているのは、

  • 話を聞いてくれる
  • 生活を一緒に考えてくれる
  • 説明してくれる
  • 納得して任せられる

そのような当たり前のことが大事だと思っています。

「選べない」からこそ、知る力が必要な時代へ

セラピストガチャという言葉は、
誰かを批判するための言葉ではありません。

これは、

「選べない現実を、なかったことにしない」ための言葉

です。

そして同時に、

「知ることで、主体性を取り戻す」ための入口

でもあります。

最後に|Totonoeの視点として

私たちは、

「回復」や「改善」だけを切り取るのではなく、
生活・環境・習慣・身体の使い方
一体として捉えています。

もしあなたが、

  • 今のリハビリに違和感がある
  • このままでいいのか不安
  • 退院後の生活が想像できない

そう感じているなら、
それはあなたの感覚が間違っているのではありません。

セラピストガチャ診断チェックリスト

― あなたのリハビリ、今どの段階? ―

以下の質問に、**直感で「はい/いいえ」**で答えてください。
※医療職の方は「自分がやれているか」で見てOKです。

【STEP1】関係性・コミュニケーション編

☐ セラピストが、病名や評価結果を自分の言葉で説明してくれる
☐ 「今日は何をするか」を毎回なんとなくで始めていない
☐ 質問すると、嫌な顔をせずに答えてくれる
☐ こちらの話(不安・困りごと)を途中で遮られない
☐ 雑談ではなく、生活に関係する話題が出てくる

👉

  • 3つ以上☑︎:最低限の信頼関係あり
  • 0〜1個:すでに「ガチャ感」強め

【STEP2】リハビリ内容の“中身”編

☐ 毎回、同じメニューを何となく繰り返していない
☐ 「なぜこの練習をするのか」を理解できている
☐ 痛み・疲労・不安に応じて、内容が調整されている
☐ できなかった理由を、一緒に考えてくれる
☐ 数値(筋力・角度)だけでなく、動き方を見ている

👉

  • ☑︎が少ないほど
    「単位消化型リハビリ」になっている可能性あり

【STEP3】生活・暮らし視点編

☐ 家で困っている動作について、具体的に聞かれたことがある
☐ ベッド・トイレ・風呂・靴・椅子など、生活環境の話が出る
☐ 退院後・今後の生活について、話題に上がっている
☐ 家族や仕事、役割の話を理解した上で関わっている
☐ 「できる」より「続く」を意識した説明がある

👉

  • ここが☑︎0〜1個の場合
    高確率で“生活と切り離されたリハビリ”

【STEP4】成長・変化を感じられているか編

☐ 数週間前と比べて、何が変わったか説明できる
☐ 停滞している理由を、納得できる形で聞いている
☐ セラピストが、自分の関わりを振り返る発言をする
☐ 「このままいくとこうなりそう」という見通しが共有されている

👉

  • 変化が語られない=
    評価も振り返りも曖昧な可能性

【診断結果】あなたのセラピストガチャ度は?

☑︎が多い人(20個中15個以上)

🎯 ガチャSSR〜SRクラス

  • 少なくとも「運任せ」ではない
  • 信頼関係+生活視点あり
  • この関係性は大切にしてOK

☑︎が中間(8〜14個)

🎲 ガチャR〜SRの境界

  • 良い部分もあるが、抜けている視点あり
  • 質問・共有で改善する余地大
  • 「違和感」を我慢しすぎないこと

☑︎が少ない(0〜7個)

⚠️ ガチャN〜Rレベル

  • あなたが悪いわけではない
  • 仕組み上、よく起こる
  • ただし、このまま放置は危険

👉 環境を変える/視点を補う行動が必要

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石垣貴康|作業療法士/Totonoe代表
病院で良くなっていたのに、自宅に戻るとまた動きにくくなる──そんな“リハビリの壁”に直面する方を多く出会ってきました。原因は努力不足ではなく、生活環境・習慣・動作のクセ・生活リズムです。私は「機能は生活からつくられる」という視点で、寝たきり・片麻痺・脊髄損傷・神経難病など重度の方へ、生活24時間を整える訪問パーソナルリハビリを提供しています。
「もう良くならない」と感じても、まだ方法は残っている可能性があります。一緒に、“もう一度動ける人生”を取り戻しましょう。

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