― あなたの人生を左右する「担当ガチャ」の正体 ―
「入院のリハビリ担当の○○です」
その一言で、
数か月後の身体機能、生活の質、ひいては人生の選択肢まで変わる
――そんな現実が、医療現場には確かに存在します。
それを、あえて言語化するとしたら。
私はこの現象を 「セラピストガチャ」 と呼びたい。
この記事の最後には、【セラピストガチャ診断チェックリスト】があるので、ぜひチェックして「ガチャ度」をテストしましょう!
セラピストガチャとは?
セラピストガチャとは、
入院・外来・回復期・維持期などのリハビリにおいて、
患者が理学療法士・作業療法士・言語聴覚士を「選べない」仕組み
その結果、担当者の経験・視点・スキル差が
そのまま回復経過や生活の質に影響してしまう現象
と私は考えました。
新人か、ベテランか
評価が丁寧か、流れ作業か
生活まで見ているか、訓練室だけか
本人にはどうしようもないのに、結果だけが変わる。
まさに「ガチャ」です。
実は、多くの人がすでに検索している
「セラピストガチャ」という言葉は、
まだ世の中に存在していません。
しかし、近い検索ワードはすでに大量に存在しています。
実際に検索されている“近縁ワード”
- リハビリ 担当 当たり外れ
- 理学療法士 合わない
- 作業療法士 変更 できる?
- リハビリ 効果 出ない
- 病院 リハビリ 不安
- 回復期リハビリ 信用できない
- 退院後 リハビリ どうすればいい
- リハビリ このままでいいのか
これらはすべて、
**「セラピストを選べない不安」**の言い換えです。
なぜ「セラピストガチャ」が起きるのか
ここで大事なのは、
誰かを悪者にしないことです。
原因①:保険制度という構造
医療保険・介護保険のリハビリは、
- 単位制
- 人員配置基準
- 算定ルール
- 教育・ローテーション
これらに強く縛られています。
つまり、
「経験豊富なセラピストを、必要な人に集中配置する」
という設計自体が難しい
構造になっているのです。
原因②:教育と臨床のギャップ
学校では、
- 正解がある
- 評価項目が決まっている
- 試験で測れる
しかし臨床では、
- 正解がない
- 生活は人それぞれ
- その人の背景がすべて違う
このギャップを現場で埋められるかどうかは、
正直、個人差が大きい。
ここにも「ガチャ要素」が生まれます。
原因③:患者が“判断材料”を持てない
多くの患者さんは、
- 何を基準にリハビリを見るべきか分からない
- 質問していいのか分からない
- 比較対象がない(なりたくて病気になってない)
結果、
「こんなものなのかな…」
「先生が言うなら…」
と、違和感を飲み込んでしまう。
数か月の担当が、その後の人生を左右する理由
リハビリは、
「筋力」や「可動域」だけの話ではありません。
本当に影響するのは…
- 動作のクセ
- 身体の使い方
- 環境調整
- 生活リズム
- 介護の仕方
- 自信の持ち方
- 失敗体験の積み重ね
これらはすべて、
担当セラピストの“視点”で変わります。
セラピスト側も「ガチャに組み込まれている」
ここは、リハビリ職にも届けたい部分です。
新人が悪いわけではない。
ベテランが偉いわけでもない。
ただ、
- 教育を受ける余裕がない
- フィードバックが少ない
- 数を回すことが優先される
- 指名制とかない仕組み
そんな環境の中で、
本人の意思とは無関係に「ガチャの一部」になってしまう。
これは、
セラピストにとっても不幸です。
「セラピストガチャ」から抜け出す視点
完全にガチャをなくすことは、
正直、今の制度では難しい。
でも、抜け道はあります。
患者・家族ができること
- 違和感を言語化する
- 生活で困っていることを具体的に伝える
- 「この動きが不安です」と質問する
- セカンドオピニオンで他をみる
- 退院後を見据えた話が出ているかを見る
👉 **“良い・悪い”ではなく
「生活を見てくれているか」「相性がいいか」**が判断軸。
セラピスト側ができること
- 訓練室で完結しない視点を持つ
- 生活背景を聞く
- 他職種とつなぐ
- 「できた」より「続く」を考える
👉 ガチャを壊すのは、制度より“姿勢”。
リハビリ難民が本当に求めているもの
多くの人は、
「ゴッドハンド」を求めているのでしょうか?
私が現場で感じているのは、
そのような当たり前のことが大事だと思っています。
「選べない」からこそ、知る力が必要な時代へ
セラピストガチャという言葉は、
誰かを批判するための言葉ではありません。
これは、
「選べない現実を、なかったことにしない」ための言葉
です。
そして同時に、
「知ることで、主体性を取り戻す」ための入口
でもあります。
最後に|Totonoeの視点として
私たちは、
「回復」や「改善」だけを切り取るのではなく、
生活・環境・習慣・身体の使い方を
一体として捉えています。
もしあなたが、
- 今のリハビリに違和感がある
- このままでいいのか不安
- 退院後の生活が想像できない
そう感じているなら、
それはあなたの感覚が間違っているのではありません。
セラピストガチャ診断チェックリスト
― あなたのリハビリ、今どの段階? ―
以下の質問に、**直感で「はい/いいえ」**で答えてください。
※医療職の方は「自分がやれているか」で見てOKです。
【STEP1】関係性・コミュニケーション編
☐ セラピストが、病名や評価結果を自分の言葉で説明してくれる
☐ 「今日は何をするか」を毎回なんとなくで始めていない
☐ 質問すると、嫌な顔をせずに答えてくれる
☐ こちらの話(不安・困りごと)を途中で遮られない
☐ 雑談ではなく、生活に関係する話題が出てくる
👉
- 3つ以上☑︎:最低限の信頼関係あり
- 0〜1個:すでに「ガチャ感」強め
【STEP2】リハビリ内容の“中身”編
☐ 毎回、同じメニューを何となく繰り返していない
☐ 「なぜこの練習をするのか」を理解できている
☐ 痛み・疲労・不安に応じて、内容が調整されている
☐ できなかった理由を、一緒に考えてくれる
☐ 数値(筋力・角度)だけでなく、動き方を見ている
👉
- ☑︎が少ないほど
「単位消化型リハビリ」になっている可能性あり
【STEP3】生活・暮らし視点編
☐ 家で困っている動作について、具体的に聞かれたことがある
☐ ベッド・トイレ・風呂・靴・椅子など、生活環境の話が出る
☐ 退院後・今後の生活について、話題に上がっている
☐ 家族や仕事、役割の話を理解した上で関わっている
☐ 「できる」より「続く」を意識した説明がある
👉
- ここが☑︎0〜1個の場合
高確率で“生活と切り離されたリハビリ”
【STEP4】成長・変化を感じられているか編
☐ 数週間前と比べて、何が変わったか説明できる
☐ 停滞している理由を、納得できる形で聞いている
☐ セラピストが、自分の関わりを振り返る発言をする
☐ 「このままいくとこうなりそう」という見通しが共有されている
👉
- 変化が語られない=
評価も振り返りも曖昧な可能性
【診断結果】あなたのセラピストガチャ度は?
☑︎が多い人(20個中15個以上)
🎯 ガチャSSR〜SRクラス
- 少なくとも「運任せ」ではない
- 信頼関係+生活視点あり
- この関係性は大切にしてOK
☑︎が中間(8〜14個)
🎲 ガチャR〜SRの境界
- 良い部分もあるが、抜けている視点あり
- 質問・共有で改善する余地大
- 「違和感」を我慢しすぎないこと
☑︎が少ない(0〜7個)
⚠️ ガチャN〜Rレベル
- あなたが悪いわけではない
- 仕組み上、よく起こる
- ただし、このまま放置は危険
👉 環境を変える/視点を補う行動が必要



