脳梗塞の片麻痺は完治する?元に戻らない現実と改善の可能性|病院・訪問リハ・口コミの選び方も解説

Totonoe通信
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石垣貴康|作業療法士/Totonoe代表
病院で良くなっていたのに、自宅に戻るとまた動きにくくなる──そんな“リハビリの壁”に直面する方を多く出会ってきました。原因は努力不足ではなく、生活環境・習慣・動作のクセ・生活リズムです。私は「機能は生活からつくられる」という視点で、寝たきり・片麻痺・脊髄損傷・神経難病など重度の方へ、生活24時間を整える訪問パーソナルリハビリを提供しています。
「もう良くならない」と感じても、まだ方法は残っている可能性があります。一緒に、“もう一度動ける人生”を取り戻しましょう。

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はじめに:このページに辿り着いたあなたへ

「片麻痺は治るのか」「元に戻るのか」「どこまで良くなるのか」

脳梗塞後遺症と向き合う中で、この問いは多くの方が抱えています。
私自身、作業療法士として10年以上この領域に関わる中で、
“完治”という言葉に距離を感じてきました。

しかし、「諦める必要がない」という事実も、同じくらい強く感じています。

片麻痺は治るのか?結論と前提

まず最初に、結論からお伝えします。

医学的な意味で「完全に元に戻る(完治)」は、ほとんどありません。
理由は明確で、一度損傷した脳細胞そのものは元の状態には戻らないからです。

ただし、これは「現状維持しかできない」という意味ではありません。

改善の余地は残っている。
ここが、このテーマにおける最大の希望です。

「治った」と感じる人が存在する理由

医療者としての私の経験では、
「治った」と語る方に出会ったのは一人だけです。

専門家としての視点では麻痺は残っていました。
しかしその方は、生活の中で不自由が減り、
「自分の中では治った」と表現していました。

この出来事を通して感じたのは、
回復には“医学的回復”と“生活的回復”があるということ。

  • 医学的回復:脳細胞が元通りになる(現実的に困難)
  • 生活的改善:生活の中で支障が減り、“自分の中で回復と感じる”

片麻痺と向き合ううえで、
この2つの軸を区別しておくことは大切です。

脳細胞は戻らない。でも脳は「張り替えられる」

脳梗塞は、

  • 脳細胞が損傷し機能低下が起こる
  • 感覚・運動・思考などに影響が出る
  • 片麻痺などの後遺症が現れる

という現象です。

ここまで聞くと、希望が持てないように感じるかもしれません。
しかし、脳にはもうひとつの重要な側面があります。

それが**脳可塑性(Neuroplasticity)**と呼ばれる機能です。

脳は使い方次第で、神経回路を再編成し、
損傷部位を迂回する回路をつくることができる。

つまり、
脳細胞は元に戻らなくても「回路」は作り変えられるということ。

実際、運動学習と反復刺激が
神経ネットワークの再構築を促すことは、
神経科学の分野で数多く報告されています
(Johansen-Berg, H. et al., 2010 / Nat Rev Neurosci)。

発症10年後に「指が動いた」のはなぜか

臨床現場で何度も見てきた光景があります。

  • 10年経ってから足首が上がるようになった
  • 20年目で装具を外す時間が伸びた
  • 諦めていた動きが、ふとした瞬間に出た

これらは奇跡ではなく、
**“使ってきた神経回路が成熟した結果”**だと捉えられます。

重要なのは、「いつまで改善できるか」ではなく、

“どの回路に、どんな刺激を届けるか”

です。

リハビリをしている人・していない人の差

① まず「量」

そもそもやっているか、やっていないかが大きな差を生みます。
脳は、使っている部分を強化し、使っていない部分を弱化させる特徴があります。

つまり、
身体は「やっている人の身体」になるし、
やっていない人の身体にもなる。

この現実を無視することはできません。

② 次に「質」

「とりあえず歩く」「手を動かす」だけでは、
代償動作(ごまかし)を学習してしまうことがあります。

私が重視しているのは、
機能に基づいた動きを“設計する”こと。

  • どの関節が動いている?
  • どの筋が働いている?
  • どんな感覚入力が脳に届いている?
  • 生活のどの場面で使う動き?

これらを意識した動作は、
脳に正しい刺激と学習の材料を届けます。

歩くために歩くのではなく、
歩ける身体を設計するという考え方が必要です。

病院・介護・口コミ・有名施設の選び方

片麻痺のリハビリは、
病院や施設選びも大きな影響を与えます。

しかし、ここで注意したいのは、

有名だから自分に合うとは限らない
口コミが良い=自分に合うとは限らない

という現実です。

  • 病院は医療の専門性が強い
  • 介護サービスは生活の持続をサポート
  • リハビリ特化型施設は運動量と刺激に特化
  • 訪問系は生活の中での“使い方”に強い

それぞれ役割が違うため、
目的と相性が合わなければ意味が半減します。

「どこが良いか?」より
**「自分に合うのはどこか?」**で判断する視点が大切です。

発症からの時間は、可能性を奪わない

「もう◯年経っているから遅い」と言われた。
「今さら意味がない」と感じている。

そうした相談を受けることがあります。

しかし、臨床経験としては、
発症からの年数だけで可能性は語れないと感じています。

時間よりも大切なのは、

  • どんな刺激を
  • どれだけ継続し
  • どんな生活環境で
  • どのように習慣化するか

この条件が揃ったとき、
改善曲線は再び動き始めます。

Totonoeの考え方

私は、脳梗塞後遺症のリハビリや睡眠、生活改善に関わる中で、
「機能をデザインする」という考え方を大切にしています。

改善は、身体だけでは完成しません。

  • 人(身体と脳の使い方)
  • 環境(生活動線と生活設計)
  • 習慣(24時間の使い方)
  • 管理(疲労・体内リズム)

この4つが揃ったとき、
リハビリという“点”が、生活という“線”につながります。

「動かすための練習」から
「動ける状態の設計」へ。

これが、現代の片麻痺改善に必要な視点だと考えています。

まとめ:元には戻らない。でも、前には進める

脳梗塞後遺症による片麻痺は、
医学的な完治が難しい領域です。

しかし、それは「終わり」を意味しません。

  • 神経回路は再編成できる
  • 刺激と学習で改善する余地がある
  • 発症からの年数は可能性を決めない

**“元に戻る”**という言葉に囚われすぎず、
**“これからの身体をどう設計するか”**という視点を持つこと。

それが、今日から取れる
現実的で、前向きな一歩だと思っています。

読んでくださり、ありがとうございました。
この文章が、あなたやご家族の判断の支えになれば幸いです。

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石垣貴康|作業療法士/Totonoe代表
病院で良くなっていたのに、自宅に戻るとまた動きにくくなる──そんな“リハビリの壁”に直面する方を多く出会ってきました。原因は努力不足ではなく、生活環境・習慣・動作のクセ・生活リズムです。私は「機能は生活からつくられる」という視点で、寝たきり・片麻痺・脊髄損傷・神経難病など重度の方へ、生活24時間を整える訪問パーソナルリハビリを提供しています。
「もう良くならない」と感じても、まだ方法は残っている可能性があります。一緒に、“もう一度動ける人生”を取り戻しましょう。

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