片麻痺の方へ|痙縮(けいしゅく)とは?
脳卒中後、片麻痺になった方に多い悩みの一つが、
「力を抜きたいのに抜けない」
「固くて動きにくい」
という感覚です。
そして多くの方は、
それを「年齢のせい」「筋力不足」と誤解しがち。
でも実は、
この違和感の正体は 痙縮(けいしゅく) かもしれません。
この記事では、
まで、専門的な視点+わかりやすい例 で解説します。
🍀 痙縮(けいしゅく)とは?
「力が入ったまま、抜けない状態」のこと
痙縮とは、
筋肉が過度に緊張し、力が抜けにくくなる状態 です。
専門的には
「上位運動ニューロン障害による筋緊張亢進」
と呼びますが、
日常的には
「力を抜こうとしても抜けない」
という感覚で理解できます。
⚙ なぜ痙縮が起きるのか?
ブレーキが弱くなり、アクセルが優位になる
本来、筋肉は
がバランスをとって動きます。
しかし片麻痺では、
という状態が起きます。
その結果、
少しの刺激でも
筋肉が過剰に反応してしまう
これが 痙縮 の本質です。
🔎 痙縮の特徴(検索されやすいポイント)
✔ 動き始めに出やすい(スピード依存性)
動こうとするほど、固くなる
例:
👉 これは典型的な痙縮の特徴です。
📋 日常生活でよくある痙縮による困りごと
💭 片麻痺生活でよく聞く“痙縮インサイト”
これらはすべて、
痙縮が生活動作に影響しているサイン です。
💡 痙縮は「筋トレ不足」ではない
ここで大切な誤解を解きましょう。
痙縮は、
という単純な理由ではありません。
むしろ、
無理に力を入れる
強くストレッチする
と、逆に痙縮が強くなることもあります。
痙縮は 神経と感覚の問題
だからです。
⚡ 非麻痺側(健側)の過活動と代償動作
ここを押さえると、
痙縮と日常の動きの関係が一気にわかりやすくなります。
🧠 代償動作とは?
麻痺側が動かしにくいため、
無意識に非麻痺側(健側)が頑張り過ぎる動き のこと。
これは「悪い癖」でも「手抜き」でもなく、
身体を守るための自然な反応 です。
💥 過活動が痙縮を強めるしくみ
- 麻痺側が頼れない
- 非麻痺側が頑張る
- 体幹が左右バランスを崩す
- 刺激に敏感になった麻痺側が硬くなる(痙縮が強まる)
つまり、
非麻痺側の過活動 = 痙縮を誘発しやすい状態
ということです。
🪶 具体的な例で理解する
▶ 服の着脱がつらい
非麻痺側で身体をひねろうとしてしまい、
麻痺側の痙縮が誘発される
▶ 歩くときに足が引っかかる
非麻痺側で歩行パターンを無理に作る
→ 麻痺側足首が硬くなる(痙縮・内反)
ぶんまわし歩行の出現
⇒そのまま歩くと転倒リスクあり
だから装具の着用
▶ 座っていると姿勢が傾く
健側で姿勢を支える
→ 体幹が固まり、痙縮が出やすい
以前の投稿では、姿勢の連続が動作とお伝えしました。
姿勢が傾いている=動作も傾きます
落ち着いて止まっている姿勢は、どんな姿勢だと感じていますか?
🧠 痙縮と体幹・姿勢の関係(専門的視点)
痙縮は単独で起きるものではなく、
姿勢・重心・体幹の安定性と密接に関連しています。
体幹が不安定だと、
結果として
痙縮が増悪 することがあります。
※ 体幹の詳しい話は関連記事で解説
🌱 痙縮とうまくつき合うコツ
痙縮は完全に消えるものではなく、
上手にコントロールしながら生活する視点 が大切です。
✅ 日常でできるコントロール術
- 深呼吸してから動く
- ゆっくり始める(スピードを上げない)
- 姿勢を整えてから動作する
- 余裕のある環境で動く(床・椅子・靴など)
これだけで、
痙縮の出方が変わることがあります。
🧩 リハビリ専門職からの視点
痙縮は、ただの「硬さ」ではありません。
国際的なリハビリの枠組み
World Health Organization のICFでも、
- 身体機能(痙縮・筋緊張)
- 活動(歩行・更衣)
- 参加(外出・生活)
は環境や心理と連動しているとされています。
つまり、
痙縮は 生活全体の問題として捉えるべき なのです。
✨ まとめ|痙縮は「努力不足」ではない
痙縮は、
- 力を入れすぎ
- 年齢のせい
- サボり
ではありません。
脳卒中後の体の反応 であり、
日常動作にも影響を与える大切な要素 です。
この記事で紹介した困りごと、
どれか一つでも心当たりがあるなら、
それはあなたの身体が
「適応しようとしているサイン」
かもしれません。
身体を敵とせず、
正しく理解することが最初の一歩 です。


