脳梗塞後、リハビリを頑張っているのに良くならない理由|量より「改善設計」が必要なワケ|愛知・三重・岐阜

Totonoe通信
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石垣貴康|作業療法士/Totonoe代表
病院で良くなっていたのに、自宅に戻るとまた動きにくくなる──そんな“リハビリの壁”に直面する方を多く出会ってきました。原因は努力不足ではなく、生活環境・習慣・動作のクセ・生活リズムです。私は「機能は生活からつくられる」という視点で、寝たきり・片麻痺・脊髄損傷・神経難病など重度の方へ、生活24時間を整える訪問パーソナルリハビリを提供しています。
「もう良くならない」と感じても、まだ方法は残っている可能性があります。一緒に、“もう一度動ける人生”を取り戻しましょう。

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はじめに|頑張っているのに変わらない…と感じているあなたへ

「退院後も、毎日リハビリを頑張っている」
「自主トレも欠かさずやっている」
「でも、思ったほど動きや生活が良くならない」

脳梗塞後遺症を抱える方やご家族から、こうした悩みは非常によく聞かれます。

実際、WEBでは次のような言葉が多く検索されています。

  • 脳梗塞 リハビリ 頑張ってるのに 良くならない
  • 脳梗塞 後遺症 改善 できる?
  • 脳梗塞 自主トレ やりすぎ
  • 退院後 リハビリ 何をすればいい
  • 保険外リハビリ 脳梗塞
  • このまま良くならないのでは

この記事は、「怠けている人」ではなく
本気で良くなりたい人
のために書いています。

まず整理しておきたい前提|「回復」と「改善」は同じではありません

病院や保険内リハビリでは、医学的な意味で「回復」という言葉が使われます。

  • 急性期・回復期での機能回復
  • 麻痺や障害からの医学的回復

一方、退院後・生活期・保険外リハビリで目指すのは「改善」です。

  • 動作が楽になる
  • 生活がしやすくなる
  • 疲れにくくなる
  • 不安が減る

Totonoeが扱っているのは、この「改善」の領域です。

結論|脳梗塞後の改善は「リハビリ量」では決まりません

はっきり言います。

改善は、頑張った量では起こりません。

改善を左右するのは、次の要素です。

  • 脳と神経が学習しやすい負荷
  • 動作の質
  • 休息と回復
  • 1日のうち残り23時間の過ごし方

これらが整ったときに、初めて変化が積み重なります。

脳梗塞後の身体は「脳」で変わる

神経可塑性という前提

脳梗塞後の改善の土台にあるのが、神経可塑性です。

脳は、

  • 正確な動作
  • 適切な難易度
  • 過剰でない反復

によって再編成されていきます。

Langhorneら(Lancet, 2011)は、脳卒中後の機能変化には
task-specific training(課題特異的訓練)が重要であり、
単なる反復量ではないことを示しています。

なぜ「量を頑張るほど改善しない」のか

エビデンス①|疲労下の反復は学習効率を下げる

Krakauerら(2012)は、疲労状態での反復練習は
運動学習効率を低下させると報告しています。

疲れ切った状態・集中力が落ちた状態での自主トレは、

改善を促すどころか、誤った動作を脳に学習させるリスク

を高めてしまいます。

エビデンス②|代償動作の固定化

量を優先すると、健側に頼る動きや崩れた姿勢が強化されやすくなります。

Taubらの研究で知られるlearned non-use(学習性不使用)は、
「頑張っているのに改善しない」人に非常に多く見られます。

「無理してでも越えろ」が危険な理由

Whyteら(2005)のchallenge point frameworkでは、

  • 簡単すぎる → 学習しない
  • 難しすぎる → 混乱・非効率

と示されています。

無理は挑戦ではなく、神経学的ノイズになります。

改善が伸び悩む人に共通する特徴

  • 自主トレの量が多すぎる
  • 休むことに罪悪感がある
  • 「やらなきゃ」という義務感
  • 生活環境が変わっていない

これは努力不足ではありません。
改善設計がされていないだけです。

改善を判断する指標は「生活」

  • 歩行や立ち上がりが楽になっているか
  • 家の中の移動が安定しているか
  • 疲れが翌日に残っていないか
  • 不安感が減っているか

これらは、改善が進んでいるサインです。

見落とされがちな「23時間」

リハビリの時間は、1日のほんの一部です。

残りの23時間の
座り方・寝方・家具配置・動線・生活リズムが、改善を大きく左右します。

Totonoeが大切にしている視点

  • 人:姿勢・動作・神経の使い方
  • 環境:住環境・寝具・動線
  • 習慣:生活リズム・クセ
  • 管理:負荷と休息

運動量を増やすのではなく、改善しやすい状態を整える。

まとめ|脳梗塞後に改善していく人とは

一番頑張った人ではありません。
一番動いた人でもありません。

脳に合った負荷と生活を、壊れない形で整えた人です。

脳梗塞後の人生は、リハビリで終わりではありません。
改善の余地は、生活の中にまだ残っています。

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石垣貴康|作業療法士/Totonoe代表
病院で良くなっていたのに、自宅に戻るとまた動きにくくなる──そんな“リハビリの壁”に直面する方を多く出会ってきました。原因は努力不足ではなく、生活環境・習慣・動作のクセ・生活リズムです。私は「機能は生活からつくられる」という視点で、寝たきり・片麻痺・脊髄損傷・神経難病など重度の方へ、生活24時間を整える訪問パーソナルリハビリを提供しています。
「もう良くならない」と感じても、まだ方法は残っている可能性があります。一緒に、“もう一度動ける人生”を取り戻しましょう。

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