脳卒中後、片麻痺になってから――
こんな気持ちを抱いたことはありませんか。
もし一つでも当てはまるなら、
この記事はあなたのためのものです。
結論からお伝えします。
片麻痺でも改善している人は、特別な才能や根性を持っているわけではありません。
共通しているのは、身体への向き合い方・考え方 です。
「改善している人」は、実は特別なことをしていない
臨床の現場で長く片麻痺の方と関わっていると、
回復または改善が進んでいる人にはある共通点があります。
それは、
「できない自分」を必要以上に責めていない こと。
年齢、麻痺の重さ、発症からの期間――
条件が同じでも、回復の質には大きな差が出ます。
その差を分けているのは、
- どれだけ頑張ったか
- どれだけ根性があるか
ではありません。
「今の身体をどう評価しているか」
この一点が、回復の流れを大きく変えています。
できない自分を責めるほど、身体は固まっていく
ここで少し、身体の仕組みの話をします。
人の身体は、
不安・緊張・恐怖を感じると、無意識に力が入ります。
特に片麻痺の方では、
といった思考が、
体幹(身体の中心)を強く固めてしまいます。
その結果、
という 悪循環 が起こります。
回復している人ほど、
この悪循環に早い段階で気づきます。
そして、こう考え始めます。
「今はここが難しいだけ」
「今日は疲れているな」
評価が“責め”から“観察”に変わった瞬間、
身体の反応も少しずつ変わっていきます。

回復している人が見ているのは「腕や足」だけではない
多くの片麻痺の方は、
- 動かない腕
- 出にくい足
に意識が集中します。
もちろん、それは自然なことです。
ですが、改善している人ほど
視点が少し違います。
そんな人たちが見ているのは、
つまり 体幹や重心 です。
体幹が安定すると、
結果として、
腕や足も使いやすくなっていく のです。
※体幹の専門的な仕組みについては、
別記事で詳しく解説しています。
「まだ変わる余地がある」と考えられる人は、回復が止まらない
改善している人に共通する、
もう一つ大切な考え方があります。
それは、
回復は一直線ではない
という理解です。
多くの方が、
- 昨日より今日
- 今日より明日
と右肩上がりの改善を期待します。
しかし、脳卒中後の回復は、
- 停滞したように感じる時期
- 一時的に調子が落ちる時期
を必ず含みます。
改善している人は、
この時期を「失敗」や「限界」と捉えません。
「今は身体が学び直している途中」
そう考えられる人ほど、
改善の流れから降りずに済みます。
専門家の立場から見て「改善している人」に共通する3つの視点
ここで、第三者的な視点を加えます。
World Health Organization が示す
ICF(国際生活機能分類)では、回復を次の3つで捉えます。
- 身体機能(筋力・感覚・姿勢など)
- 活動(歩く・着替える・家事など)
- 参加(外出・社会との関わり)
改善している人は、この3つを無意識に行き来しています。
共通点① 身体だけを見すぎない
「今日は歩きやすかった」
「座っているのが楽だった」
こうした感覚を大切にしています。
良い動きを運動学習しましょう。気づきの強化です!
共通点② 生活での変化を拾っている
リハビリ室だけでなく、
家での動き・疲れ方を評価します。
共通点③ 人と比べない
比べるのは「昨日の自分」だけ。
これが心理的な安定につながります。
ついつい他人と比べがちですが、同じような人はいるかもしれませんが、同じ人はいません。
今日からできる、改善を止めないための考え方
ここからは、今日から意識できるポイントです。
難しいことは必要ありません。
この問いかけに変えるだけで、
身体への向き合い方が変わります。
責める評価 → 観察する評価
これが、回復している人の共通した思考です。
まとめ|改善している人は、自分を“諦めていない”だけ
片麻痺の改善は、
前向きでいることを強制されるものではありません。
落ち込む日があっていい。
不安になる日があっていい。
ただ一つ、
「自分はダメだ」と決めつけないこと。
改善している人は、
自分を過大評価も、過小評価もしません。
「今の自分は、こういう状態なんだ」
その受け止め方が、
身体に余計な緊張を生まず、
結果として改善を後押しするでしょう。
あなたの身体は、
思っている以上に、
あなたの考え方に正直です。
焦らなくて大丈夫です。
改善は、まだ途中です。
必要であれば、
「今の身体をどう見立てるか」 を
専門的な視点で一緒に整理することもできます。
一人で抱え込まず、
改善の道を、少しずつ続けていきましょう!!!!


