片麻痺の方へ|痙縮(けいしゅく)とは何か?原因・症状・日常生活への影響をわかりやすく解説

Totonoe通信
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石垣貴康|作業療法士/Totonoe代表
病院で良くなっていたのに、自宅に戻るとまた動きにくくなる──そんな“リハビリの壁”に直面する方を多く出会ってきました。原因は努力不足ではなく、生活環境・習慣・動作のクセ・生活リズムです。私は「機能は生活からつくられる」という視点で、寝たきり・片麻痺・脊髄損傷・神経難病など重度の方へ、生活24時間を整える訪問パーソナルリハビリを提供しています。
「もう良くならない」と感じても、まだ方法は残っている可能性があります。一緒に、“もう一度動ける人生”を取り戻しましょう。

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片麻痺の方へ|痙縮(けいしゅく)とは?

脳卒中後、片麻痺になった方に多い悩みの一つが、

「力を抜きたいのに抜けない」
「固くて動きにくい」

という感覚です。

そして多くの方は、
それを「年齢のせい」「筋力不足」と誤解しがち。

でも実は、
この違和感の正体は 痙縮(けいしゅく) かもしれません。

この記事では、

  • 痙縮とは何か
  • なぜ起きるのか(原因・メカニズム)
  • 日常生活での影響(具体例)
  • 痙縮と非麻痺側の過活動/代償動作
  • 痙縮とうまく付き合うコツ

まで、専門的な視点+わかりやすい例 で解説します。

🍀 痙縮(けいしゅく)とは?

「力が入ったまま、抜けない状態」のこと

痙縮とは、
筋肉が過度に緊張し、力が抜けにくくなる状態 です。

専門的には
「上位運動ニューロン障害による筋緊張亢進」
と呼びますが、
日常的には

「力を抜こうとしても抜けない」

という感覚で理解できます。

⚙ なぜ痙縮が起きるのか?

ブレーキが弱くなり、アクセルが優位になる

本来、筋肉は

  • 動かす指令(アクセル)
  • 抜く指令(ブレーキ)

がバランスをとって動きます。

しかし片麻痺では、

  • 脳からの“力を抜く指令”がうまく伝わらない
  • “力を入れる反射”が過剰に働く

という状態が起きます。

その結果、

少しの刺激でも
筋肉が過剰に反応してしまう

これが 痙縮 の本質です。

🔎 痙縮の特徴(検索されやすいポイント)

✔ 動き始めに出やすい(スピード依存性)

動こうとするほど、固くなる

例:

  • 立ち上がろうとすると足がつっぱる
  • 手を伸ばすと逆に曲がってしまう
  • 早い動きで固さが強まる

👉 これは典型的な痙縮の特徴です。

📋 日常生活でよくある痙縮による困りごと

💭 片麻痺生活でよく聞く“痙縮インサイト”

  • 朝より夕方のほうが動きにくい
  • 緊張すると全身がこわばる
  • 服の着脱が難しい
  • 歩くと足が引っかかる/つまずく
  • 手洗い・歯磨きがやりにくい
  • つま先が反り返って痛い
  • 座っていて身体が傾く・戻せない
  • 夜、筋肉がこわばって眠れない
  • 「力を抜いて」と言われるほど力が入る

これらはすべて、
痙縮が生活動作に影響しているサイン です。

💡 痙縮は「筋トレ不足」ではない

ここで大切な誤解を解きましょう。

痙縮は、

  • 筋力が弱い
  • 全く使っていない
  • ただ硬いだけ

という単純な理由ではありません。

むしろ、

無理に力を入れる
強くストレッチする

と、逆に痙縮が強くなることもあります。

痙縮は 神経と感覚の問題
だからです。

⚡ 非麻痺側(健側)の過活動と代償動作

ここを押さえると、
痙縮と日常の動きの関係が一気にわかりやすくなります。

🧠 代償動作とは?

麻痺側が動かしにくいため、
無意識に非麻痺側(健側)が頑張り過ぎる動き のこと。

これは「悪い癖」でも「手抜き」でもなく、
身体を守るための自然な反応 です。

💥 過活動が痙縮を強めるしくみ

  1. 麻痺側が頼れない
  2. 非麻痺側が頑張る
  3. 体幹が左右バランスを崩す
  4. 刺激に敏感になった麻痺側が硬くなる(痙縮が強まる)

つまり、

非麻痺側の過活動 = 痙縮を誘発しやすい状態

ということです。

🪶 具体的な例で理解する

▶ 服の着脱がつらい

非麻痺側で身体をひねろうとしてしまい、
麻痺側の痙縮が誘発される

▶ 歩くときに足が引っかかる

非麻痺側で歩行パターンを無理に作る

→ 麻痺側足首が硬くなる(痙縮・内反)

 ぶんまわし歩行の出現

⇒そのまま歩くと転倒リスクあり

 だから装具の着用

▶ 座っていると姿勢が傾く

健側で姿勢を支える
→ 体幹が固まり、痙縮が出やすい

以前の投稿では、姿勢の連続が動作とお伝えしました。

姿勢が傾いている=動作も傾きます

落ち着いて止まっている姿勢は、どんな姿勢だと感じていますか?

🧠 痙縮と体幹・姿勢の関係(専門的視点)

痙縮は単独で起きるものではなく、
姿勢・重心・体幹の安定性と密接に関連しています。

体幹が不安定だと、

  • 体を守るために力が入りやすい
  • 非麻痺側に頼る動きが増える
  • バランスを取ろうとして筋緊張が上がる

結果として
痙縮が増悪 することがあります。

※ 体幹の詳しい話は関連記事で解説

🌱 痙縮とうまくつき合うコツ

痙縮は完全に消えるものではなく、
上手にコントロールしながら生活する視点 が大切です。

✅ 日常でできるコントロール術

  • 深呼吸してから動く
  • ゆっくり始める(スピードを上げない)
  • 姿勢を整えてから動作する
  • 余裕のある環境で動く(床・椅子・靴など)

これだけで、
痙縮の出方が変わることがあります。

🧩 リハビリ専門職からの視点

痙縮は、ただの「硬さ」ではありません。

国際的なリハビリの枠組み
World Health Organization のICFでも、

  • 身体機能(痙縮・筋緊張)
  • 活動(歩行・更衣)
  • 参加(外出・生活)

は環境や心理と連動しているとされています。

つまり、
痙縮は 生活全体の問題として捉えるべき なのです。

✨ まとめ|痙縮は「努力不足」ではない

痙縮は、

  • 力を入れすぎ
  • 年齢のせい
  • サボり

ではありません。

脳卒中後の体の反応 であり、
日常動作にも影響を与える大切な要素 です。

この記事で紹介した困りごと、
どれか一つでも心当たりがあるなら、
それはあなたの身体が
「適応しようとしているサイン」
かもしれません。

身体を敵とせず、
正しく理解することが最初の一歩 です。

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石垣貴康|作業療法士/Totonoe代表
病院で良くなっていたのに、自宅に戻るとまた動きにくくなる──そんな“リハビリの壁”に直面する方を多く出会ってきました。原因は努力不足ではなく、生活環境・習慣・動作のクセ・生活リズムです。私は「機能は生活からつくられる」という視点で、寝たきり・片麻痺・脊髄損傷・神経難病など重度の方へ、生活24時間を整える訪問パーソナルリハビリを提供しています。
「もう良くならない」と感じても、まだ方法は残っている可能性があります。一緒に、“もう一度動ける人生”を取り戻しましょう。

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