リハビリが効かない本当の理由|未病・生活習慣・睡眠が“治らない体”をつくる科学的根拠

Totonoe通信
totonoereha

石垣貴康|作業療法士/Totonoe代表
病院で良くなっていたのに、自宅に戻るとまた動きにくくなる──そんな“リハビリの壁”に直面する方を多く出会ってきました。原因は努力不足ではなく、生活環境・習慣・動作のクセ・生活リズムです。私は「機能は生活からつくられる」という視点で、寝たきり・片麻痺・脊髄損傷・神経難病など重度の方へ、生活24時間を整える訪問パーソナルリハビリを提供しています。
「もう良くならない」と感じても、まだ方法は残っている可能性があります。一緒に、“もう一度動ける人生”を取り戻しましょう。

totonoerehaをフォローする

あなたは今、こんな悩みを抱えていませんか?

・リハビリに通っているのに痛みが戻ってしまう
・ストレッチや筋トレが続かない
・寝ても疲れが取れない
・朝からしんどくて動き出すまでに時間がかかる
・最近、体の衰えを感じる
・肩こりや腰痛が「クセ」になってしまった
・病気の再発が怖い
・昔より“治りづらい”と感じる
・何をしても体の調子が上がらない
・「このまま一生、付き合うのかな」と不安になる

これらの“なんとなくの不調”は、
病院の検査では何も出ません。

しかし、医療の世界ではすでに「未病(みびょう)」という概念が正式に存在し、

“病気の手前の段階”が重要で、最も見逃されやすく、最も回復しづらい”

という事実が明らかになっています。

そして実は、
「リハビリをしても変わらない」という悩みの大半は、未病の段階で生活が崩れていることが原因 の可能性もあります。

この記事では、
専門職の視点から“未病 × 生活習慣 × 運動学習 × 再発予防”を徹底的に分解し、

✔なぜ生活が乱れると体が変わらないのか
✔なぜ“頑張っても戻ってしまう”のか
✔何を整えれば体は変わり始めるのか
✔科学的根拠から見える本質
✔今日からできる改善行動

まで、深く・わかりやすく解説します。

健康から未病へ──体が“静かに悪くなる”プロセスとは?

まず、体は次のように進行します。

健康

未病Ⅰ(自覚あり・検査異常なし)

未病Ⅱ(自覚なし・検査異常あり)

発症

診断

治療

入院・再発リスク

多くの人は「病気になってから健康を考える」傾向がありますが、
実際には 未病の段階で既に体は“悪い方向へ学習”を始めています。

ここで生活習慣が乱れると、以下のような“ゆるやかな下り坂”が起きます。

疲れやすくなる
・筋肉が落ちる
・免疫が落ちる
・睡眠が浅くなる
・体内時計が狂い始める
・痛みが増えやすくなる
・ストレス耐性が落ちる
・脳の働きが鈍る

これらは“病気ではない”ため見逃されがちですが、
医学的には 未病が最も危険で最も介入効果が高い段階 です。

未病が続くと何が起きる?

「未病の期間が長いと何が悪いの?」

◆疲れに関する“不”

・疲れが取れない
・寝ても疲労感が残る
・朝がだるい
・昼過ぎに必ず眠くなる
・夕方に疲れて動けない

◆痛みに関する“不”

・肩こりが慢性化
・腰痛が再燃する
・膝の痛みが良くなったり悪くなったりする
・動くと痛みが出る
・天気で痛みが変わる

◆体の衰え・変化に関する“不”

・筋肉が落ちてきた
・階段がしんどい
・歩くとすぐ疲れる
・足が上がりにくい
・ふらつく

◆睡眠に関する“不”

・眠りが浅い
・途中で起きる
・寝つきが悪い
・朝スッキリしない
・寝ても寝ても眠い

◆自律神経の“不”

・動悸
・頭痛
・手足の冷え
・ほてり
・めまい

◆心理的な“不”

・イライラ
・不安感
・やる気が出ない
・落ち込みやすい
・集中できない

◆生活的な“不”

・食欲の増減
・太りやすくなる
・生活リズムが崩れる
・寝落ち・寝不足
・甘い物を欲する

ここが整わないまま“リハビリだけ”を頑張っても、
コスパが悪い・・・自費リハでお金だして頑張ってるのに効果を感じれない・・・を繰り返す結果になりかねない。

実際になっている方もいるでしょう。

リハビリで成果を感じない人の共通点は「生活の乱れ」

痛み・不調・慢性症状で悩む人ほど

・寝るのが遅い
・朝食を抜く
・タンパク質が不足
・座り時間が長い
・歩かない
・ストレスが強い
・スマホ・PC時間が長い
・休日にリズムが崩れる
・喫煙・飲酒が習慣的
・夜にカフェインを取る

これらが重なっています。

ではなぜ、これらの生活習慣が
「運動学習(Motor Learning)」を阻害するのでしょうか?

ここから科学的に解説します。

運動学習とは?

リハビリの本質は「脳の学習」である

運動学習とは、
脳が新しい動作パターンを習得・定着させるプロセス を指します。

・正しい歩き方
・効率の良い立ち上がり
・姿勢
・痛みの出ない動かし方
・筋肉の使い方

これらは筋肉だけでなく、
脳・神経回路の再学習によって成り立っています。

「動けるようになる」とは、
脳のアップデートが成功したということ。

逆に、

生活習慣が乱れている

脳の学習効率が低下

リハビリの効果が半分以下になる

これが現実です。

生活習慣と運動学習の関係を“科学”で紐解く

①不適切な食生活 → 脳の材料不足(根拠:神経可塑性研究)

脳の学習には
・ブドウ糖
・アミノ酸(特にトリプトファン)
・オメガ3(DHA)
が必要。

栄養不足は、

✔神経可塑性の低下
✔記憶・学習能力の低下
✔筋タンパク合成の低下

に直結します。

特に朝食抜きは
“午前中の脳の学習能力を最大40%低下させる”
という研究もあります。

→正しい動作が定着しない

→姿勢や痛みが改善しない

→リハビリ効果が続かない

これが現実。

②運動不足 → BDNF(脳の学習物質)が出ない

軽い運動だけでも分泌されるBDNFは
“脳の可塑性を高める最重要物質”と言われています。

運動不足が続くと

✔BDNFの減少
✔海馬の萎縮
✔注意力・記憶力の低下

が起こり、
体の使い方を改善する能力が落ちます。

リハビリを頑張っても、
学習する“器”が弱いのです。

③乱れた生活リズム → 睡眠で学習定着ができない

運動学習の“定着”は睡眠中に起こります。

睡眠が乱れると:

・海馬→大脳皮質への記憶転写が阻害
・運動の再現性が落ちる
・痛みの感受性が上がる
・関節の硬さが増す
・疲労が抜けない

つまり、

夜に崩れる

昼のリハビリがリセットされる

という悪循環が起きます。

④喫煙 → 脳と筋肉への酸素供給低下

喫煙は血管を収縮させ、

・酸素供給低下
・炎症増加
・神経伝達の低下

これらによって
運動学習の効率が“激減”します。

⑤飲酒 → 海馬(記憶)が弱り学習が消える

寝酒は睡眠の質を壊し、

✔ノンレム睡眠の減少(運動学習が定着しない)
✔夜間覚醒
✔筋回復低下
✔翌日の意欲低下

など悪影響ばかり。

「飲んだ日の翌日に痛みやだるさが増える」
という現象は、学術的にも説明がつきます。

⑥過度なストレス → コルチゾールが学習を阻害

慢性的ストレスは
コルチゾールの上昇を長期化させ、
海馬(学習)と前頭前野(注意・意思決定)を弱らせます。

結果として、

・動作の集中力が落ちる
・間違った動きがクセになる
・疲れやすい
・痛みが増える

ストレスは運動学習の“最大の敵”です。

未病が続くと「再発しやすい体」へシフトする

未病は、ただの“倦怠感”ではありません。

✔炎症がじわじわ進む
✔血糖・血圧・脂質が乱れやすい
✔動脈硬化の進行スピードが上がる
✔自律神経が乱れ代謝が落ちる
✔筋肉・関節の回復能力が低下
✔ストレス耐性が落ちる
✔睡眠の質が悪化する

これらは
“再発リスクを高める体の状態”です。

既往歴がある人ほど、
未病の期間を飛ばして再発が起きやすい。

だから、生活習慣を整えることは
「未来の健康を守る行為」そのものなのです。

では、どうすれば体は変わるのか?

ここで重要なのは、
生活習慣 → 自律神経 → 睡眠 → 運動学習 → 体の変化
という流れを理解すること。

体を変えるための優先順位は私的にはこうです。

  1. 生活リズム
  2. 食生活
  3. 日常の運動
  4. ストレス管理
  5. リハビリの内容

リハビリは最後。
これは衝撃的に聞こえるかもしれませんが、
最も合理的な順番だと考えてます。

ただ、もちろん人によって体質や思考・生活環境は違うので、これが全てではないということは大前提です。

今日からできる改善アクション

✔①睡眠:最低でも「起床時間を固定する」

体内時計が整い、自律神経が安定する。

✔②食事:朝にタンパク質・昼はバランス・夜は控えめ

脳と筋肉の材料を確保。

✔③運動:まずは歩数を増やす

BDNFが増え、学習能力が上がる。

✔④生活リズム:スマホの“夜活”を減らす

ブルーライトと興奮が睡眠の質を壊す。

✔⑤ストレス:深呼吸・散歩・入浴

自律神経が整い、筋緊張が下がる。

これらを整えた“準備された体”でリハビリすると、
今までの2倍以上の効果を発揮します。

Totonoe‐整‐が伝えたいこと

私たちは「機能で整える」を大切にしています。

体は、
筋肉・関節・姿勢を整えるだけでなく、
生活習慣・生活動作・生活環境など、
“人としての機能”が整って初めて本当に変わります。

Totonoe‐整‐では、

✔機能改善のための姿勢・動作分析
✔生活リズムの最適化
✔生活環境の調整
✔再発予防
✔医療国家資格者による安心サポート

これらを総合的に扱い、
あなたの体が変われる状態を一緒に作っていきます。

「頑張っているのに変わらない」
そんな方に
“やりがいあるリハビリ生活”をサポートするお手伝いができます。

まとめ:リハビリ以前の生活が、未来の健康をつくる

この記事では

・未病の危険性
・生活習慣が体に与える影響
・運動学習を阻害する本当の原因
・再発リスク
・改善の優先順位
・今日からできる行動

をお伝えしてきました。

結論はひとつです。

👉リハビリを成功させるのは「生活習慣」という土台である。

生活を整えれば、
あなたの体は必ず変わります。
その変化の最初の一歩を、今日から始めてください。

totonoereha

石垣貴康|作業療法士/Totonoe代表
病院で良くなっていたのに、自宅に戻るとまた動きにくくなる──そんな“リハビリの壁”に直面する方を多く出会ってきました。原因は努力不足ではなく、生活環境・習慣・動作のクセ・生活リズムです。私は「機能は生活からつくられる」という視点で、寝たきり・片麻痺・脊髄損傷・神経難病など重度の方へ、生活24時間を整える訪問パーソナルリハビリを提供しています。
「もう良くならない」と感じても、まだ方法は残っている可能性があります。一緒に、“もう一度動ける人生”を取り戻しましょう。

totonoerehaをフォローする

CONTACT

多様なニーズに合わせて課題解決のサポートが可能です。
「どこに相談したらよいかわからない」
――そんな時も、まずは一度お問い合わせください。