はじめに:このまま良くならないのでは…と感じているあなたへ
「リハビリをがんばっているのに、良くなっている実感がない」
「病院を退院したのに、家ではほとんど寝たきりのまま」
「介護サービスは使っているけれど、未来が見えない」
寝たきりのご家族を支えていると、こんな不安や葛藤を毎日のように感じませんか?
- 病院ではもっと動けていたはずなのに、家だと全然動けない
- 介護保険のリハビリも使っているのに、機能が頭打ちになった気がする
- デイサービスや通所リハに行かせたいけれど、そもそも外に連れ出すのが大変
- 「これ以上よくならないかもしれません」と言われて、心が折れそう
まず最初にお伝えしたいのは、
あなたのせいでも、家族の努力不足でもない
ということです。
「良くならない」と感じてしまうのには、
医療・介護保険の“仕組み”と、“生活の現実”という、目に見えにくい理由がいくつも隠れています。
そしてもう一つ、とても大事なことがあります。
たとえ今が寝たきりの状態だとしても、
「もう改善の余地がゼロ」という視点を変えてみましょう。
回復のスピードは遅くても、
「少し楽に起き上がれる」「姿勢が持ちやすくなる」「介助が軽くなる」「笑顔が増えてきた」といった変化は、
生活の整え方次第で、まだまだ引き出すことができます。
このブログでは、
- なぜ、介護保険のリハビリだけでは物足りないと感じるのか
- 寝たきりにつながりやすい代表的な疾患(脳血管・神経難病・内科系)ごとの「改善の壁」
- 保険リハビリの限界と、医学的に見た“改善が止まる理由”
- 自宅で受けられる自費の訪問パーソナルリハビリを組み合わせると、なぜ改善が「複利」で進むのか
- 愛知(名古屋)・三重・岐阜エリアで、最初の一歩として取れる「初回訪問評価」という選択肢
について、専門用語はできるだけかみ砕きながら、
ご家族が「納得して次の一歩を決められる」内容を目指してお伝えしていきます。
寝たきりに多い疾患ごとに見える「改善の壁」
──脳血管疾患・神経難病・内科系疾患の特徴
寝たきりの背景には、必ず原因となった病気があります。
そして、その病気ごとに「良くならない」と感じてしまいやすいポイントが少しずつ違います。
ここでは代表的な3つのグループに分けて見ていきます。
- 脳血管疾患(脳梗塞・脳出血 など)
- 神経難病(パーキンソン病 など)
- 内科系疾患(心不全・糖尿病合併症・廃用症候群 など)
1.脳梗塞・脳出血などの脳血管疾患
退院後のご家族で一番多いのが、脳梗塞・脳出血などの「脳血管疾患」です。
よくこんなお話を聞きます。
- リハビリ病院では平行棒を使って歩いていたのに、家だと一歩も出たがらない
- 病院ではベッドから起き上がれていたのに、自宅では起こすのに毎回一苦労
- 「退院してから、逆に寝ている時間が増えた気がする」
これには、いくつかの理由があります。
理由① 病院と家では環境がまったく違うから
病院では、
- ベッドの高さ
- 床の硬さ
- 手すりの位置
- スタッフの人数
すべてが「リハビリしやすいように設計」されています。
一方、自宅はどうでしょうか?
- ベッドが低すぎる/高すぎる
- 布団が柔らかく沈み込み、寝返りしにくい
- 手すりがない、または位置が合っていない
- 廊下やトイレまでの動線に段差や狭いところがある
病院のリハビリ室で習得した動きは、
「その環境での動き方」を学んだに過ぎません。
脳は「普段過ごす場所」に合わせて学習を進めるため、
環境が変わると、できていたはずの動きがうまく出せなくなることがよくあります。
理由② 片麻痺の左右差が、家の中ではより強く出るから
片麻痺があると、
- 手が開かないから支えらない
- 手すりを引っ張って、身体が捻じれる
- 家の中も装具で、立ち上がるときに重心が乗らない
病院では平らな床・広いスペースの中で練習できますが、
自宅だと「狭い」「段差がある」「家具にぶつかる」など、
片麻痺にとって不利な条件がそろいやすいのです。
単純に活動量も増えます。そして、ご自宅環境に適応しようと「代償的な動作」が増えます。
例えば、麻痺側の足を使っているつもりが、麻痺していない側や体幹などが大きく動いていることがよくあります。それが習慣=クセとなった運動学習が脳に定着します。
理由③ 家族が「怖くて」必要な負荷をかけられない
脳卒中リハビリの世界では、
「ある程度の負荷(がんばり)」が改善には欠かせないことが知られています。
ただ、実際に介助する立場からすると、
転倒させたらどうしよう
痛がる顔を見るのがつらい
無理をさせて悪くなったら…
と不安になるのは当然です。
結果として、「手を出し過ぎてしまう」「本来は自分でできる動きまで全介助してしまう」ことが起こり、
本人の力を発揮する機会が減ってしまいます。
こうして、
「病院 → 伸びる」
「自宅 → 止まる・戻る」
という感覚につながっていきます。
2.パーキンソン病などの神経難病
パーキンソン病や多系統萎縮症、脊髄性疾患など、いわゆる「神経難病」の方も、
徐々に寝たきりに近づいていくケースが少なくありません。
このグループに特有の壁は、
- 動き始めに時間がかかる(無動)
- 途中ですくみ足になって止まってしまう
- 姿勢が前かがみになり、バランスを崩しやすい
- 薬が効く時間と効きにくい時間の差が大きい
理由① 動けない時間が長くなりやすい
「動き出すまでに時間がかかる」「一度止まると再開しづらい」といった症状があるため、
どうしても1日の中で「じっとしている時間」が増えがちです。
身体を動かす機会が減れば減るほど、
筋力低下や関節のこわばりが進行し、
さらに動きづらくなる…という悪循環に陥ります。
何よりも転倒が怖いですよね。「歩けば転ぶ」という印象が身体をカタくしてしまい、より固定的な身体の使い方になりやすいです。
理由② 薬が効いている時間帯に“動く練習”ができていない
パーキンソン病では、薬がよく効く「オン」の時間帯と、効きにくい「オフ」の時間帯があります。
本当は、
など、時間帯に合わせた戦略が非常に大事です。
しかしご自宅では、その調整を家族だけで行うのは難しく、
「しんどい時間帯に頑張って動かそうとして、うまくいかない」
ということが繰り返されがちです。
オフの時なのに、「やる気がない」と思われがちなのも痛い点になってしまいます。
理由③ 姿勢・ポジショニングの難しさ
・体が前かがみに固まりやすい
・寝返りが打ちにくい
・座っているときに体が横に倒れてしまう
といった特徴があるため、
ベッドや椅子での姿勢が崩れやすく、痛みや疲労につながります。
先ほどもお伝えしたように、身体を丸くして固定的になりやすく、重心がどうしても下がる姿勢になりがちです。重心が下がると、歩くときに足が上がりづらく、より足がひっかかり転倒のリスクが上がる原因となります。
これも、本来は専門家が一緒に動作の改善をはかったり、環境や自主トレを調整することで、
身体の使い方が変わってくる部分だと感じています。
3.心不全・糖尿病合併症・廃用症候群などの内科系疾患
内科系の病気を背景に寝たきりになっている方も多くいらっしゃいます。
- 重度の心不全で、少し動くだけで息が上がる
- 糖尿病の合併症で足の感覚が鈍く、歩くのが怖い
- 長期の入院や安静で筋力がごっそり落ちた「廃用症候群」
このグループの特徴は、
「動きたい気持ちはあるのに、身体がついてこない」
というジレンマです。
理由① 息切れ・倦怠感で「続けて動けない」
内科系疾患では、
ちょっとした動作でも心臓や呼吸への負担が大きくなります。
- ベッドから起き上がっただけで息苦しい
- 数歩歩いたら疲れてしまう
- 食後は特に動けない
こうした状態では、「動こう」と思っても長く続かず、
日中ほとんどベッド上で過ごす時間が増えていきます。
理由② 動かないことで、さらに筋力が落ちる(廃用症候群)
「使わない機能はどんどん落ちていく」
これは医学的にもはっきり分かっています。
- 寝たきり
- 座っているだけの時間が長い
- 立ち上がりや歩行の機会が少ない
こうした生活が続くほど、
筋力低下 → 関節のこわばり → さらに動きづらい → ますます寝たきり
という負のスパイラルに入ってしまいます。
理由③ 介護が重くなりすぎて、本人の自立の芽が摘まれてしまう
内科系疾患では、「無理させてはいけない」という意識から、
どうしてもご家族が手厚く介助しすぎてしまいがちです。
もちろん安全第一は大切です。
ただ、何でもかんでもやってあげる形になると、
- 自分でできるはずの動きも、やらなくなる
- 動く機会がさらに減ってしまう
というリスクも同時に生まれます。
ベッド上でできる動きや、身体を少しでも動かしやすくする筋肉の準備も大切です。
介護保険リハビリの「目的」と「限界」
──なぜ、がんばっても物足りなさを感じるのか?
ここまで読んで、
「じゃあ、介護保険のリハビリが悪いってこと?」
と思われたかもしれません。
結論から言うと、
介護保険・医療保険のリハビリには、大切な役割があります。
しかし、“設計された目的”そのものが「改善」ではなく「維持」に近い側面があり、
それが「物足りない」と感じる原因にもなっているのです。
介護保険リハの目的は「生活の維持・安定」がメイン
介護保険で行われるリハビリは、
- これ以上急激に悪くならないようにする
- 今の生活を何とか続けられるようにする
という、「維持」「安定」の役割が大きくなっています。
サービスの時間も、
- デイサービスでの個別リハビリは15分程度
- 訪問リハビリは1回20〜40分を週1〜3回
と、どうしても短くなりがちです。
一人ひとりに十分な時間をかけて「攻めの改善」をしていくには、
制度上どうしても無理があります。
重度になるほどサービス量は増えるが、改善スピードは上がらない
介護保険の仕組みは、
- 要介護度が高いほど
- 機能レベルが重いほど
利用できるサービス量(回数・時間)は増える、という設計になっています。
一見、「重い人ほどよくなるチャンスが増える」ように見えますが、
現実には
というギャップが生まれます。
結果として、
「サービスは多いのに、良くなっている感じがしない」
「使える枠は使っているけれど、機能回復の手応えがない」
という不満や不安につながります。
本当にネックになっているのは「生活24時間」なのに、制度上そこまで手が回らない
寝たきりの改善に本当に必要なのは、
- 寝具・ベッドの環境
- 寝返り・起き上がりのしやすさ
- 起床・就寝・昼寝を含めた生活リズム
- 日中にどれくらい体を動かしているか
- どんな姿勢で、どれくらい長く過ごしているか
- 家族の介助方法
- 食事の姿勢やセルフケア
といった、「生活24時間」の中身です。
しかし現実には、
- 1回20〜40分のリハビリでは、そこまで深く踏み込めない
- 担当者がこまめにポジショニングできるわけではない
- 重度なため、介助者にも負担大きく、頻回にしづらい
という事情があります。
つまり、
保険のリハビリが悪いわけではなく、
「制度の枠だけでは、本当に必要なところまで届かない」
というのが、正直なところだと感じています。
自宅で受ける「自費の訪問リハビリ」が改善を“複利”で加速させる理由
ここまでの話を読むと、
「じゃあ、どうしたらいいの?」
「この先も、今のままのリハビリを続けるしかないの?」
と不安になるかもしれません。
ここで登場するのが、
保険=維持・安定を支えるベース
+
自費の訪問パーソナルリハビリ=改善を狙う“攻めの一手”
という考え方です。
自費リハビリは、「自費」と聞くと少し身構えてしまうかもしれませんが、
実は保険リハの“弱点”を補い、「改善する力」を引き出すための重要な選択肢になりつつあります。
そのために、新しいカタチのリハビリを考案しました。
理由① リハビリの「量」と「質」を一気に底上げできる
先ほど触れたように、科学的には
- 1回あたりのリハビリ時間
- 1週間に何回行ったか
- それをどのくらいの期間続けたか
が、機能回復の大きなカギになるとされています。
保険内だけではどうしても不足しがちな「量」を、
自費の訪問リハビリで補うことで、
「もう少し良くなりたい」という気持ちに現実が追い付いてきます。
理由② 「家」という生活の場そのものを整えられる
自費の訪問リハビリの最大の強みは、
家そのものを“リハビリしやすい場所”に変えていけることです。
- 食事姿勢やポジショニングの最適化+生活リズム指導
- 枕やクッションの使い方を工夫して寝返りしやすくする
- 車椅子からベッド・トイレへの移乗動作を、その家の動線に合わせて練習する
- 玄関の段差や廊下の幅を踏まえて、安全な歩行ルートを一緒に考える
これは、病院のリハビリ室や通所施設では決してできない介入です。
理由③ 日中の「微妙な動き」を増やすことで、廃用を防ぐ
寝たきりの方の改善には、
- 一日トータルでどれくらい体を動かしたか
- 同じ姿勢でじっとしている時間をどれくらい減らせたか
が非常に重要です。
訪問パーソナルリハビリでは、実際の生活の流れを見ながら、
- 日中の姿勢をどのくらい変えられるか
- 寝返りや起き上がりを、どのタイミングで、どれだけ手伝うべきか
- 「今の体力なら、このくらいの距離を、こんなペースで歩けそう」という具体的なライン
を一緒に設計していきます。
こうした細かな積み重ねが、
まさに「複利」のように効いてきます。
理由④ 成功体験が増えると、本人の意欲が戻ってくる
寝たきりが長く続くと、
どうしても気持ちが内向きになります。
- どうせ無理
- 迷惑をかけている
- リハビリしても変わらない
そんな「諦め」が少しずつ心の中にたまっていきます。
自宅での訪問リハビリは、
- 今日、初めてここまで起き上がれた
- この角度なら痛みなく座っていられる
- 介助が軽くなった、家族から「楽になった」と言われた
といった、小さくてもハッキリとした「できた」を一緒に作っていけます。
心理学的にも、「自分はまだできる」という感覚(自己効力感)が高まると、
人は自発的に動こうとすることが分かっています。
身体の改善と心の改善はセットです。
その両方に関わっていけるのも、Totonoeの大きな役割です。
愛知(名古屋)・三重・岐阜で寝たきりの改善を本気で目指すために
ここまで読んで、
「うちの家族にも、まだできることがあるかもしれない」
と少しでも感じていただけたなら、とてもうれしく思います。
最後に、愛知(名古屋)・三重・岐阜エリアで
これから何をしていけばいいのか、具体的な一歩をお伝えします。
1.「何が一番のネックになっているのか」を知ることがスタートライン
寝たきりの状態といっても、
改善を止めている要因は人によって全く異なります。
- 脳梗塞や脳出血による片麻痺や高次脳機能障害
- パーキンソン病などの神経難病による動きにくさ
- 心不全や糖尿病など内科系疾患による息切れ・倦怠感
- 長期の安静による廃用症候群
- 不適切な寝具や姿勢による痛みや疲労
- 昼夜逆転や睡眠の質の低下
- 家の構造や動線そのものの問題
- 介助方法のクセ
大切なのは、
「今、一番邪魔をしているのはどこか?」
を見極めることです。
それが分かれば、
「どこから手をつければいいのか」も、自然と見えてきます。
2.最初の一歩として「初回訪問評価」を受けてみる
いきなり「自費リハビリをガッツリ利用しましょう」と言われると、
不安も大きいと思います。
その前に、まずは
- 今の状態を専門家に客観的に見てもらう
- 家での生活の何がネックになっているかを整理してもらう
という意味で、
初回訪問評価
を受けてみるのがおすすめです。
初回訪問評価で分かることの例:
- なぜ今、改善が止まっているように感じるのか
- 寝具・姿勢・ポジショニングにどんな改善余地があるか
- 家の中のどこが“リハビリのしづらさ”につながっているか
- 家族の介助の中で、どこを変えると負担が軽くなるか
- どのくらいのペース・頻度なら、現実的に改善を狙っていけそうか
- 保険リハビリと自費リハビリをどう組み合わせると効果的か
つまり、
「何をすればいいのか分からない状態」から
「こうすればいいんだ、と見通しが立つ状態」へ
一段階引き上げるための時間だと考えてみてください。
3.寝たきりの改善は、あなた一人で背負うものではありません
介護は、想像以上に心身のエネルギーを消耗します。
- 毎日のオムツ交換や体位変換
- 夜間の見守り
- 通院や書類関係の手続き
- 仕事や家事との両立
その中で、「もっとリハビリもしなきゃ」と自分を追い込んでしまうと、
いつか限界がきます。
寝たきりの改善は、
家族だけの頑張りで何とかするのも長期的に考えると、とても大変なことです。
保険サービス、自費リハビリ、地域の支援資源──
使えそうなもものは、ぜひ試してみてください。
あなたが少し肩の力を抜いて、
「一緒に支えてくれる人がいる」と感じられるだけでも、
介護の景色は少し変わります。
おわりに:希望を捨てず、「今できる一歩」から始めましょう
ここまでお読みいただき、ありがとうございます。
寝たきりのご家族を支えているあなたは、
すでに十分すぎるほど、がんばってこられました。
だからこそ、
- このままでいいのか
- 他にできることはないのか
- 少しでも良くしてあげたい
という気持ちが消えないのだと思います。
寝たきりの改善は、
ドラマのように一気に立ち上がって歩けるようになる…という話ばかりではありません。
- 寝返りが少しスムーズになった
- 起き上がる時の「うっ」とこらえる表情が減った
- 座っていられる時間が少し延びた
- 介助する側の腰の痛みが軽くなった
- 夜の眠りが深くなり、昼間の表情が明るくなった
そういった“小さな変化”の積み重ねが、
半年後、一年後、数年後の大きな違いにつながっていきます。
そのためには、「改善する力」「良くなる力」を奪っている要因を、
生活全体の中から一つずつ取り除いていく必要があります。
保険のリハビリが支えてくれる「維持」の部分。
自費の訪問パーソナルリハビリが引き出す「改善」の部分。
この二つをうまく組み合わせれば、
今よりも確実に「楽で、前向きな介護生活」に近づいていくはずです。
もし今、
- 愛知(名古屋)・三重・岐阜エリアで
- 寝たきり、あるいはそれに近い状態のご家族がいて
- 「このままでは終わらせたくない」と感じている
のであれば、
まずは一度、「初回訪問評価」という小さな一歩から始めてみてください。
その一歩が、
あなたとご家族にとって
「まだできることがある」「まだ良くなれる」という希望につながることを願っています。

